米国オーケストラによる 映画音楽 近現代曲 コンサート探訪記

サントラファンが書く、米国オーケストラによる、映画音楽、近現代音楽演奏会探訪記録および所感。

VOL.11 ;2017年6月15日探訪  ジョン ウイリアムス編  JOHN WILLIAMS ESCAPADE FOR ALTO SAXOPHONE AND ORCHESTRA FROM CATCH ME IF YOU CAN

 

WILLIAMS : ESCAPADES FROM CATCH ME IF YOU CAN

M.WAGNER : PROCEED,MOON FANTASY FOR ORCHESTRA

DEBUSSY :IBERIA FROM IMAGES FOR ORCHESTRA

OTHERS

CHICAGO SYMPHONY ORCHESTRA CONDUCTED BY SUSANNA MALKKI

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今回はシカゴ響による、ジョン ウイリアムスの楽曲である。この組曲は、すでに複数回演奏され、譜面が公開されており、珍しくないのであるが、シカゴ響としては初演であり、シカゴ響+コンサートホールでの響きを是非体験したく、参上した。面白いのが、今回のプラグラム編成である。クラシック楽曲が、主体になっているの中に(といっても、近現代の作曲家であるが、)堂々、映画音楽からの組曲が肩を並べて登場している。しかも、選曲が、あえて、SFやパニックもの以外から採用されている所がポイントである。ここから、シカゴ響および聴衆のウイリアムスに対する評価を窺い知ることができる。これはシカゴ響だけの特有現象ではないが、シカゴ響とウイリアムスの関係の良さは、シカゴ響による、映画リンカーンのサントラ録音や、その他組曲集( Memoirs of a Geisha for Cello and Orchestra 他 )のCD録音実績からも理解できる。実際、当方も、ウイリアムス指揮、シカゴ響による、当該CD収録曲の演奏会(演奏会場での録音?)に参上しており、特に当該組曲はYO-YO MAがチェロ奏者として(現在はシカゴ響のcreative consultantに任命されている)参画しており非常に良い演奏であった事が、今でも記憶に残っている。さて今回の楽曲であるが、アルトサックスを主体としたジャズアンサンブルとオーケストラの絡み合いが、ユニークな構成になっている。3楽章からなる20分弱の組曲であるが、ウイリアムスのポップな一面を(ジャズとの融合)観察できる。当方好みは、最終楽章 (Joy Ride)である。ややジャズ色は低くなるが、彼特有のオーケストレーションが十分楽しめる。コンサートホールでの響きは格別であった。ところで、今回アルトサックスの奏者はVol.8 で紹介した、GABRIEL PROKOFIEV (プロコフィエフの孫)作CONCERT FOR SAXOPHONE AND ORCHESTRAの演奏 で登場した、BRANFORD MARSALIS が担当していた。今回参上の主目的はウイリアムスであるが、現代曲の演奏も実施されていたので、記載する。作曲家は MELINDA WAGNER , 1957年生まれの米国の作曲家で、今回の作品PROCEED,MOON FANTASY FOR ORCHESTRA はシカゴ響の委託の世界初演となる。米国は女性の作曲家が多く活躍しており、彼女もその一人である。実際当方もELLEN TAAFFE ZWILICH やJOAN TOWER 等注目している女性作曲家があり、演奏会があれば、ぜひ参上したいと考えている。さて、WAGNERであるが、作風はかなりアブストラクトな不響表現が主体のオーケストレーションの印象が強い。当方の印象では、あえて、映画音楽作曲家を上げると、レナード ローゼンマンの初期作品である、映画 COBWEB やEDGE OF THE CITY の音楽に類似した表現を連想した。

 

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 演奏会場 入り口にて

VOL.10 ;2017年6月3日探訪  レナード バーンスタイン編 その2 LEONARD BERNSTEIN WEST SIDE STORY COMPLETE FILM WITH ORCHESTRA

 

LEONARD BERNSTEIN    WEST SIDE STORY  ( COMPLETE ) CLEAVELAND ORCHESTRA CONDUCTED BY BRETT MITCHELL  ----------------------------------------

クリーブランド響は3月にバーンスタインの映画音楽、波止場組曲の演奏会を実施したばかり(探訪記VOL.6  参照)であるが、今回はなんと、WEST SIDE STORY  シネコンサート。スコア―の全曲をクリーブランド響の生演奏で、しかも大画面で楽しめた。サントラ、組曲からは聞けないすべての演奏を鑑賞できる貴重な経験である。組曲でも、お馴染み、冒頭のオープニングからホイッスル音に伴う警察官登場までの一気呵成かつパワフルな演奏に度肝を抜かれた、VOL.6にも述べたが、BRETT MITCHELL  の手腕もあるだろうが、クリーブランド響+SEVERANCE ホールの音響効果は抜群で想像以上に迫力満点である。大画面で繰り広げられるジェローム ロビンスの振り付けによるクールなダンスと管弦楽が完全にシンクロしており、まるで生のバレー公演を鑑賞している様な感覚である。その後、歌唱の部分に関しては、オリジナルの音声に管弦楽を合わせており、かなり指揮が難しかったと想像する。パワフルな演奏だけではなく、悲劇のエンディングまでの演奏効果は抜群で圧倒的な感動を覚えた。素晴らしい演奏(いや、バーンスタインの音楽自体も素晴らしい)と映像が与える相乗効果が大きいことを再認識した。シネコンサートがバレー、オペラ同様、舞台芸術の1分野として確立できる可能性を感じ取れた。同時期に作曲された、波止場のスコア―と類似した響きを聞き取ることができるが、シェークスピアのロミオとジュリエットを素材にしたストーリー展開と舞踏に関連した音楽作品としては、むしろプロコフィエフのバレー音楽ロミオとジュリエットと比較するほうが興味深い。波止場同様、ジャズを多用した音楽表現は、プロコとは全く異なるが、劇的な悲劇の終幕に関しては、表現方法こそ異なるが,共通する心理表現を感じた。バーンスタインがプロコのバレー音楽、ロミオとジュリエットを意識したのは、確かだと想像する。

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会場の雰囲気(SEVERANCE ホール)

VOL.9: 2017年 5月26日 探訪 バーナード ハーマン編 BERNARD HERRMANN PSYCHO WITH ORCHESTRA(COMPLETE)

 

BERNARD HERRMANN   PSYCHO  WITH ORCHESTRA(COMPLETE)

CHICAGO SYMPHONY ORCHESTRA CONDUCTED BY RICHARD KAUFMAN

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今回の探訪は、シカゴ響によるバーナードハーマン作品の演奏会である。ハーマンは、自己の芸術性に妥協を許さない音楽哲学を踏襲しており、また音楽を提供した映画の特異性からも、以前から興味を引かれ、自己の鑑賞歴の中でも重要な作曲家の一人となっている。10年ほど以前は、頻繁にハーマン作品の演奏会、新録音が続いていたが、最近は一段落した感がある。その中で、今回シネコンサート形式のサイコ全曲の演奏である。実は今回の演奏会は本来”北北西に針路を取れ”の全曲演奏であったが、技術的問題で(指揮者KAUFMANによる冒頭の説明によると、オーケストラと画像のシンクロに困難なところがあと釈明していた)急遽変更された経緯がある。当方知る限り、サイコ全曲および組曲の演奏会は世界各所で実施例が多いが、”北北西に針路を取れ”の全曲演奏会は極めて異例と思われる。当方10年ほど前に、北北西の組曲演奏会鑑賞(詳細は後に別記)経験はあるが、全曲演奏の鑑賞経験は無い。本作品は映画後半、マウントラッシュモアで繰り広げられるアクションシーンの音楽がドラマティックかつ効果的で、この部分をシカゴ響の金管、打楽器群で、ぜひ鑑賞したいと、楽しみにしていたので極めて残念である。せめて、”めまい”全曲(すでに、シカゴ響で全曲演奏済み)で代替してほしかった。しかしながら、サイコ全曲演奏をコンサートホールで、しかも、シカゴ響で体験できる機会も希と(実は、本曲に関しても、シカゴ響で演奏済みであるが、これも、鑑賞機会を逃がしている)考えられる。全曲の新録音は1970年代にユニコーンレベルでハーマン自身の指揮が最初と記憶する。それ以後いくつかの新録はリリースされており、弦楽による、恐怖表現の巧みさは実感済みであるが、映像+弦楽+コンサートホールの状況では、どのようなものなのか、確認する良い機会であった。自分でも驚いたのであるが、恐怖を駆り立てる音楽のはずであるが、それよりも、音響効果、演奏技術の相乗効果からか、映画音楽、劇音楽を超え、研ぎ澄まされた、極めて精妙な詩的な響きを感じ取った。シカゴ響の奏でる音は、いや、ハーマンのオーケストレーションの巧みさがそう感じさせるに違いないと思う。ちょうど、監督リドリー・スコットがゴールドスミスが付けたエイリアンの楽曲を極めて詩的だと表現していた、まさにその感覚である。練り上げられた音楽とは、例え恐怖表現であろうと、奥深さ、精妙さ、を有しており、これが感動を生み出す源と実感した。本作サイコは明らかに、音楽の領域でも、単なるホラー映画 を超越した芸術性を有している事は疑いない。ちょうど、演奏会前のレクチャー時、数々のシネコンサートを手掛けている、プロデューサーJohn Gobermanが登場し、弦楽のためのシンフォニエッタ-1935年作品からサイコ楽曲の素材が一部引用されている事について言及していた。(言及はなかったが、実際はさらに、その後のタクシードライバーのエンディングにも引用されている)当方も当該cd保有し、内容把握していたので、話があるのではと、想定していた。当該cdのライナーノートによると、35年当初、若年のハーマンはシエーンベルグやアバンギャルドに傾倒しており、その影響が、この作品に見られる。その抽象性が複雑な心理表現とマッチしたと推定する。

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当日は雨で、サイコの鑑賞には、最適?。劇中、マリオンが雨の中、車でベーツモーテルに向かうシーンを連想した。

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会場の雰囲気。弦楽のみ、スクリーンは、白黒。

 

 

別記: 今回のハーマン演奏会に関連し、10年ほど過去になるが、当方が参上した中で印象に残っているハーマン作品演奏会の感想を、いくつか記録に残しておく。古い情報であるが、その後、再演、新録音等されていないレアーな楽曲もあるので記録に値すると考える。

1.2007年10月6日

Lyn Murray  ; Suite from To Catch a Thief

Dimitri Tiomkin ; Suite from Stranger on a Tain

                         ; Suite from Dial M for Murder

Bernard Herrman ; Suite from North by Northwest

Detroit symphony orchestra conducted by Constantine Kitsopoulos

この演奏会はヒッチコック作品に主題をおいた演奏会になっており、ハーマンの北北西組曲が最後に配されている。この演奏会の特徴は、映画音楽関連のコンサートに良く見られる、複数映画の主題曲もしくは、2曲程度を、ごった煮的に並べる形式とは異なり、各映画から数曲抽出し、全て10分間程度の組曲形式に編纂しており、独立した音楽作品として十分鑑賞に値するレベルに仕上げていた事である。このような演奏会は、なかなか見られない、当方の自論は、ごった煮的演奏会では、芸術性のある作品の全貌を表現できておらず、軽音楽程度の印象しか得られないと考える。今回は3名の作曲家が担当した各映画から組曲を抽出演奏しており、十分納得できる構成になっている。表記の演目からもわかる様に、一番の目玉はティオムキンの作品が2作品それも10分程度の組曲で演奏される事であろう。Stranger on a Tain の組曲は、80年代ヒッチコックにフォーカスした新録がバレーズからリリースされてから(これは今でも愛聴している)いくつか、それと同様の新録がリリースされており、その中にDial M for Murderも含まれていたと記憶する。私的には、この演奏会がティオムキンの組曲作品を本格オーケストラで、しかも演奏会形式で鑑賞した、最初の経験であり、非常に興奮したことを記憶している。次に、ハーマンの”北北西の針路を取れ”であるが、本作は80年代からハーマン自身の組曲新録、ローリージョンソンの全曲新録を皮切りに新録が数多く実施されており、曲の全容は把握していたが、コンサートホール内で響の体感は格別であった。この組曲にもマウントラッシュモアでの音楽が配されており、最大の聴き場であることが理解できる。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                        

 2.2008年1月19日

Elmer Bernstein ;The Magnificent Seven

Max Steiner ;Gone with the wind

Alex North ;Suite from Streetcar Named Desire

Bernard Herrmann ;Suite from Vertigo , Overture to Citizen Kane

Leonard Bernstein; Symphonic Suite Onthe Water front

Miklos Rozsa; Ben-Hur

Others

 Minnesota Orchestra conducted by Osmo Vanska

この演奏会は前述の如く、ごった煮感はあるが、当方好みの作曲家、ハーマン、ノース、バースタインの組曲をしっかり組み入れており、特に、ハーマンの”Vertigo”およびノースの”Streetcar Named Desire”組曲の演奏機会は、当時殆ど無く、貴重な体験である。私的には、”めまい”はハーマン作品の中でも出色の傑作と考えており、スコティー、マデリン間の情緒表現、魔夢を表現する緊張感と大団円を締めくくる、劇的表現等、正統オペラと比べても、十分伍する芸術性がある。(実際ハーマンはワグナーの楽劇トリスタンとイゾルデを意識して作曲していたとの事)オペラといえば、ハーマンは嵐が丘を完成させているが、この作品は、この演奏会が実施された、ミネアポリスに一時住みつき、ここで作曲した様だ。生前十分評価されなかった作品ではあるが、作品誕生の地で、その後、再演されたことは(2011年、ミネアポリス オペラで再演)興味深い。残念ながら、当方参上の機会を逸している。以前2007年に、クリーブランドオーケストラでも、演奏会が予定され参上する計画であったが、大雪で公演が中止となり、たいへん落胆した覚えがある。

 

 3. 2008年3月24日

Peter Child ; Down-Adown-Derry-A Fairly suite for Orchestra

George Tontakis ; Violin Concert No.1

Bernard Herrmann ;Melodram for narrator and orchestra  

                                 A Shropshire Lad , The City of Brass from The Arabian Night

                               Nocturne and Scherzo

                                 Overture to "North by North west"

Albany Symphony Orchestra conducted by David Alan Miller

 この演奏会が私的には、最も印象深い。何故なら、ハーマン作品でも、超レア―な作品、30年代ラジオの音楽つき朗読劇を生のオーケストラ演奏会で2曲、鑑賞することができたことである。音質の悪い録音は、一部公開されていたが、新録は当然無く、全貌は不明であったが、この演奏会で明らかになった。A Shropshire Ladは後の映画The Kentuckianに引用されている。The Kentuckianに関しては、すでに新録が2回されており、主題曲につては、すでに馴染みの内容であるが、本曲はその主題の一部を引用、その後、ハーマン特有の牧歌的抒情表現と朗読が効果的に続く。The City of Brass はこれとは対照的にハーマンのダイナミズム表現が炸裂する逸品である。冒頭の主題はJason and The argonauts のTriton や,7th voyage of Sinbadの一部に転用された原曲であり、両映画に共通する異国情緒かつミステリアスな雰囲気と劇的展開を凝縮して楽しめる構成となっていた。最後にNocturne and Scherzoであるが、この作品も、録音がない、超レア―作品である。前半のNocturne は小品Silent Moonに見られる夜想を共通素材としおり、ハーマン特有の情緒表現を、さらに楽しむことができる。後半のScherzoは、Jason and The argonauts のScherzo macabre に転用されており、ほぼ同一の印象を受ける。最後は北北西のOvertureで締めくくった。ハーマン音楽を十分堪能できる素晴らしい演奏会であった。

  

VOL.8; 2017年 3月25日探訪 プロコフィエフ編 その3 SERGEI PROKOFIEV; SELECTIONS FROM ROMEO & JULIET

SERGEI PROKOFIEV; SELECTIONS FROM ROMEO & JULIET

                  (COMPILED BY ANDREY BOREYKO)

GABRIEL PROKOFIEV; CONCERTO FOR SAXOPHONE AND ORCHESTRA

OTHER

DETROIT SYMPHONY ORCHSTRA CONDUCTED BY ANDREY BOREYKO

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VOL 5でも述べたように、今年はプロコフィエフ作品が聞ける機会が多い。プロコフィエフ好みの当方としては嬉しい。プロコフィエフは一般的に、米国の聴衆にも受けが良いと思われる。今回足を運ぶきっかけとなったのは、プロコ作品でも一番好みのロミジュリが聞ける事、そしてプロコフィエフの孫にあたるGABRIEL PROKOFIEVの作品が聞ける事である。同族2者の作品を配したプログラムに釣られて参上してしまった。ジャズ表現の最先兵器サクソフォーンを使うが、あえて、そのジャズ表現を避けて、管弦楽作品として仕上げたかったとのことである。第一楽章は大胆にもヒップホップ風と銘打った曲で興味をそそったが、曲想リズムからは、その意図を聞き取ることができなかった。オーケストラとサキソフォーンのやり取りに,その模倣を意図したのかもしれない。ヒップポップとオーケストラの融合といえば、自分としては、デビットアーノルドが一連の007作品で見せた、オーケストラをベースにスクラッチ及びシンセ打ち込みを配した音楽を想像してしまうが、そのような形態とは、かけ離れており、純音楽としての品位は保たれていたと思う。他楽章管弦楽の表現は、全体的に聞きやすくわかりやすい明確なリズムを配し悪くなかった。最終楽章は明らかにストラビンスキーの春の祭典を模倣しており、エンディングもそっくりであった。この人、祖父の音楽は引用しておらず、意図的なら、それを想定した聴衆への、カウンターパンチであろうか?いずれにせよ、引用効果もあり最後に盛り上がったと考えている。次に本命のロミジュリであるが、演奏は悪くないのだが、指揮者ANDREY BOREYKOが編曲した組曲の編成が不自然な印象が強い。プロコフィエフ編の第二組曲と同様、大公の宣言から始まるのだが、エンディングではモンタギューとキャプレット家に戻ってしまう。全曲、組曲同様、ジュリエットの死を取り上げ、原作と同様の悲劇の締めくくりにすべきではないかと考える。アンコールのつもりであろうか?違和感が残った。

VOL.7;2017年3月11日探訪  ジアッチーノ編 GIACCHINO RATATOUILLE

GIACCHINO   RATATOUILLE

IN CONCERT

KALAMAZOO SYMPHONY ORCHESTRA CONDUCTED BY RAYMOND HARVEY

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今回の作曲家は、現役売れっ子作曲家GIACCHINOである。初めてこの作曲家の作品に出合ったのは、ABCテレビドラマALIASで使用されていた音楽で、打ち込み系の、なかなか乗りの良い曲にオーケストラの絡みを加えた音は新鮮な印象を残した。それで、シーズン1,2のサントラを保有したのが初めての出会いである。その後 ミスターインクレディブルでビックバンドジャズスタイルを使った音楽を提供し、その後ラロシフリンの音楽を引用したミッションインポッシブル3でもジャズと管弦楽の融合した興味深いスコア―を付けていた。ただ、この分野の音楽に関しては、本家のラロシフリンのイメージが強く、かつ自分が、より強く魅力を感じていたジェリーフィールディングのジャズ+管弦楽の融合表現にくらべ、彼の音楽からは、あまり魅力を感じられず、鑑賞対象から長らく外れていた。しかし、テレビシリーズLOSTの鑑賞をきっかけに、再度注目した次第である。特に最終回のエピソードで主要登場人物が最会する場面で使用されていた、弦楽重奏風楽曲が全エピソードを物語るほど効果的あったからである。アカデミー賞受賞(UP)および一連の大作への起用も十分理解できる。 自分的には、彼のアクション系の音よりも、美しい旋律を使う感情表現に魅力を感じる。そこで、今回のRATATOUILLEである。この作品は上述のごとく、当方がGIACCHINOから疎遠なっていた時期の作品であること、鑑賞の対象でないアニメ作であることから、存在すら認知していなかった作品である。シネマコンサートとしては、2015年にすでにリリース済みの様であるが、今回KALAMAZOO SYMPHONYでの演奏に参上。ストーリー上、音楽の内容も豊富で、アクション場面の緊張表現もよかったが、やはり、前述の様に、レミーとリングイニ間の感情表現が魅力的。開演の際に、GIACCHINOからのコメントが読み上げられ、特にクロージングタイトルの場面に流れる曲に注目してほしいとのことであった。全編通し流れていたのであるが、アコーディオンを配したフランス風味のシンフォニックジャズで、1個の管弦楽小品として独立して鑑賞できると感じた。ちなみにKALAMAZOO SYMPHONは伊福部門下のキーボード奏者の山田氏が活動され、過去に伊福部作品も演奏された様なので、今後邦人作品演奏の機会があれば探訪したいと考える。

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会場入り口      開演前、ロビーで    会場の雰囲気  

VOL.6; 2017年 3月4日探訪  レナード バーンスタイン編 LEONARD BERNSTEIN SYMPHONIC SUITE FROM ON THE WATERFRONT

 

LEONARD BERNSTEIN   SYMPHONIC SUITE FROM ON THE WATERFRONT

AUGUSTA READ THOMAS VIOLIN CONCERT NO.3

AARON COPAND     SYMPHONY NO.3

CLEAVELAND ORCHESTRA CONDUCTED BY BRETT MITCHELL

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クリーブランドオーケストラによる、米人作曲家特集。当方にとって、今回の目玉は、コープランドとバースタイン、師弟の作品を集結させた点に興味深々。特にバーンスタインの映画音楽、波止場組曲はバースタイン作では一番の好み。すでに数多くの録音、演奏会の実績がある作品である。師コープランド同様、米国の音色を前面に押し出した音を、感じ取ることが出来る。コープランドの映画音楽同様、従来のハリウッド作曲家とは異なる。波止場に、はびこる暴力と主人公テリーとイディのロマンス、そして感動のラストシーン、これらを交響詩の形で組み上げた逸品である。当方にとって、生オケでこの組曲を鑑賞するのは、初めて。最前列に陣取ったおかげで、CDでは聞き取れない弦楽部分の演奏が印象的であった。ところで、すでに紹介済みのプロデューサーのJOHN GOBERMANがこの作品のシネコンサートをすでにリリースしている。当方、残念ながら、探訪する機会を逃しており、次回チャンスがあれば参上したい。次にAUGUSTA READ THOMASである。新進気鋭の作曲家で、数多くのCDがリリースされている様であるが、彼女の作品をこれまで鑑賞した経験はない。今回の作品からは、かなり抽象的な表現でコープランドとバースタインの対極に位置するかの様である。意図的に、このようにプログラムを組んだのかもしれない。最期にコープランド交響曲3番。この作品は当方にとって、初のコープランド鑑賞曲であったと記憶する。やはり圧巻は市民のためのファンファーレから始まる、最終楽章の盛り上がりである。プレコンサートのプレゼンテーションでクリーブランドオーケストラのバイオリニストが、この曲の解説を実施したのであるが、この最終章の演奏が、かなり急速で困難だと、ぼやいていたが、十分理解できる。弦楽だけでなくパーカッションも気持ちよく鳴ってくれた。米国作曲家の作品を、米国のオーケストラで、米国のコンサートホールで鑑賞するからこそ得られる感動だろう。噂に聞くように、ここSEVERANCE HALLの音響効果はかなり良いと感じた。

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コンサート会場SEVERANCE HALL

VOL.5 ; 2017年2月24日 探訪 プロコフィエフ編 その2 PROKOFIEV; IVAN THE TERRIBLE (ORATORIO VERSION BY STASEVICH)

 

PROKOFIEV;   IVAN THE TERRIBLE (ORATORIO VERSION BY STASEVICH)

CHICAGO SYMPHONY ORCHESTRA, CHICAGO SYMPHONY CHORUS, CHILDRENS CHOIR

CONDUCTED BY RICCARD MUTI

SASHA COOKE   MEZZO SOPRANO

MIKHAIL PRTRENKO BASS

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1月のアレクサンダーネフスキーに続き、再度のプロコフィエフ作品鑑賞。今年は生誕125年で、特別イベントを組んでいるオケが多い(以下写真参照)。当日のプログラムノートによると、特にシカゴ響とプロコは関係が深く、1918年、シカゴ響で、自作スキタイ組曲アラとロリのアメリカ初演指揮した様だ。個人的には、ナレーター、朗読付きのSTASEVICH版はメロディアレーベルのLPで初めて、聞き始めて以来、これらが余計と感じており、映画音楽全曲新録がNIMBUSからリリースされた時は嬉々として即購入した覚えがある。このように、今回の演奏会探訪も腰が重かったのだが、シカゴ響*プロコ*ムーティ―の相乗効果に負けて参上。100人を超すCHICAGO SYMPHONY CHORUS、CHILDRENS CHOIRの合唱は圧巻であった。終了時は観客のブラボーコールの嵐とスタンディングオベーションで、米国の演奏会ならではの雰囲気を感じ取った。その長さから、シネマコンサート形式の演奏会は困難かと思われるが、時間的に短い、CHRISTOPHER PALMERによるCONCERT SCENARIO版の演奏会を今後期待をしたい。 

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生誕125年記念演奏会   会場入り口にて