米国オーケストラによる 映画音楽 近現代曲 コンサート探訪記

サントラファンが書く、米国オーケストラによる、映画音楽、近現代音楽演奏会探訪記録および所感。

VOL.3 ; 2017年1月7日 探訪 プロコフィエフ編 PROKOFIEV ; ALEXANDER NEVSKY  FILM WITH ORCHESTRA

 

PROKOFIEV ; ALEXANDER NEVSKY  FILM WITH ORCHESTRA(ADAPTATION BY WILLIAM D BROHN)

DAYTON PHILHARMONIC ORCHESTRA CONDUCTED BY NEAL GITTLEMAN ,CHORUS CONDUCTED BY HANK DAHLMAN

RYU KYUNG KIM MEZZO SOPRANO

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プロコフィエフは、いくつかの映画音楽を手掛けており、以前から愛好していた作曲家の一人。特にEISENSTEINとの共同作業による2作品ALEXANDER NEVSKY、IVAN THE TERRIBLEは、カンタータ形式に改編されて、頻繁に演奏される機会が多い。過去には、このカンタータ形式しか聞くことができなかったが、1987年プロデューサーのJOHN GOBERMAN と編曲者 DAVID BROHNによりカンタータ曲およびサントラサウンドからの編曲で映画サントラのスコア―を復元し、1987年PREVIN指揮のROS ANGELES PHIL でシネマコンサート形式で初演された(当日のプログラムから引用)、これは後にBMG盤でCD化され、当方も保有し長く愛聴している。今回の演奏会は、LOS AGELES PHIL で演奏された、シネマコンサート形式と同一になる。原版スコア―からの再編、新録は後に、SCHNITTKE の映画音楽新録シリーズ他を手掛けたAPRICCIO盤からでており、これがサントラに一番近いと考えられる。聞き比べると、やはり演奏会を意識し,一部のアレンジを加えた(特に楽曲:ICE BREAKEは、原版で使用されている弦楽部を超強烈パーカッションに変更したり、最後に水没するドイツ敵兵を茶化したホルンを廃止している)BMG盤の方が演奏会には効果的と感じていた。 さて、実際の演奏会では、 生オーケストラと映像効果により、氷上の戦いほかのドラマテックな表現を感じ取れたが、 以外にも感動を受けたのは、戦いで死んだ兵士を映し出す映像と、その映像の前で、RYU KYUNG KIMが感情込めて哀歌を歌い上げた場面である。このような、状況を作れるのは、独唱付きのシネコンサートだけで、これは単なるCDの鑑賞やカンタータのみの演奏会では得られない経験である。プロコフィエフは、いまだ新録されていない映画音楽が、いくつか存在しており、今後のCD化とともに、新たな演奏会実現を期待する。

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 コンサートホールのSCHUSTER CENTER        開演前 会場の雰囲気     

VOL.2 ; 2016年12月10日 探訪 ディミトリー ティオムキン編 DIMITRI TIOMUKIN ; IT’S A WONDERFUL LIFE

 

DIMITRI TIOMUKIN ; IT’S A WONDERFUL LIFE

CHICAGO SYMPHONY ORCHESTRA, CHORUS CONDUCTED BY JUSTINE FREER

FILM WITH ORCHESTRA

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最近日本でも見られるようになった、いわゆる シネマコンサート形式の演奏会。今回の指揮者JUSTINE FREERも以前、来日している。TIOMKINの作品が、それもスコア全曲を名門シカゴシンフォニーで聴ける機会はほとんどないと思われる。この作品IT’S A WONDERFUL LIFE(1946 directed by Frank Capra)は映画としての評価が高く、かつ米国では、クリスマスシーズンに毎年繰り返し放映されている定番映画のようだが、当方の興味はTIOMKINの1語に尽きる。思い起こせば、70年台ゲルハルト指揮ナショナルフィルで録音された、映画音楽新録音集の中1枚にあった LOST HORIZON (1937 directed by Frank Capra)が当方にとってきわめて重要な出会いであった。それまでサントラといえば、2流の録音で管弦楽としての価値が見出されていなかったのであるが、そのすばらしい録音質と映画音楽を1大交響詩として30分程度の小品として表現しており、当時としては画期的であったと記憶している。それ以来、あの感動を求めて彼の新録盤が出るたびに買い漁ること数十年、TIOMKINの作品を、実際のオーケストラ演奏を生で、しかも全曲聴けるのは感慨深い。本作品も実際、新録音はTELARCから発売済みで、すでに鑑賞済みであったが、やはり目の前での演奏はまったく異なった印象を受けた。特にジョージが仮想世界を漂う際のドラマチックな表現は、まさにTIOMKIN節炸裂。ほかの作品にも共通して言えることだが、生ではさらに迫力を増して聞こえた。今回は、クリスマスに合わせた公演で聴衆ともに盛り上がり演奏会ならではの経験である。今回もそうだが、TIOMKINの作品群中には合唱を効果的に用いているものが散見される。特にSERCH FOR PARADISE (1957 directed by Otto Lang)の大団円での合唱には圧倒されたが、本作品でも効果的な合唱が印象に残った。今後 LOST HORIZON や  HIGH AND MIGHTY のような、当方好みのレアかつ音楽的に面白いものが演奏されることを期待したい。

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コンサートホール入り口にて

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  演奏会終了後偶然にも降雪。演奏会効果もあり、雰囲気抜群

 

VOL.1;2016年10月9日 探訪 アーロンコプランド編 AARON COPLAND ; CONCERT FOR PIANO AND ORCHESTRA 他

CHRISTOPHER ROUSE ; BUMP FROM PHANTASMATS

AARON COPLAND ; CONCERT FOR PIANO AND ORCHESTRA

GEORGE GERSHWIN ; RHAPSODY IN BLUE

OTHERS

DETROIT SYMPHONY ORCHESTRA CONDUCTED BY LEONARD SLATKIN

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Leonard Slatkin は当方好みの米系作曲家や映画音楽作曲家の作品を頻繁に演奏会の演目に取り入れてくれるので、大変嬉しい。セントルイス響時代に録音したコプランドの映画音楽Heiress 組曲ーRCA VICTOR 盤は、映画音楽通好みの選択で、とりわけ貴重な録音になっている。全曲新録が待ち遠しいところ。他にもジェリーゴールドスミスやラロシフリン他も取り上げている。さてChristopher RouseのBumpであるが、おそらくセントルイス響時代にコミッションされたものと推察する。これまで、この作曲家については見聞することがなかったが、聞いてみると、なかなか面白い、ややシュールな感じがして聞きにくい感もあるが、ダンスフロアでのぶつかり合いを管弦楽で表現するとの事で無謀とも思える試みであるが、後半はかなり盛り上がる。Rouseの交響曲、管弦楽小品も聞いてみると、緊迫感を押し出したドラマチックな表現がうまい様だ。今後も注目していきたい。

次にコプランド、ガーシュイン。この2曲はジャズの影響を受けた関連で対比で取り上げられている。前述のごとく、コープランドの管弦楽の響きが好きな当方は、前半コプランド特有の響きを持つファンファーレから米国の広大な土地を展望する風景を想像するのだが、唐突にジャズが介入する感があり、やや違和を感じる。コプランドはジャズ介さない方が自分としては感覚にマッチする。ガーシュインのラプソディーインブルーはあまりにも有名すぎて、レア好みの当方としては、触手が伸びない。ジャズの影響といえば、長年愛聴している映画音楽作曲家アレックスノースの作品、特にジャズの影響のある作品群の生演奏を待ち望む限りである。