米国オーケストラによる 映画音楽 近現代曲 コンサート探訪記

サントラファンが書く、米国オーケストラによる、映画音楽、近現代音楽演奏会探訪記録および所感。

VOL.20;2017年11 月10日探訪 アーロン コプランド編 その2 Copland:Letter from Home

 

 Copland:Letter from Home

 Richard Rodgers: Victory at Sea Symphonic Scenario (1953)

 John Williams :Born on the Fourth of July (1989)

 Robert Kurka :Selections from the Good Soldier Schweik Suite (1956)

 Gustav Holst :Homeland from “The Planets”

 others

 Michigan Philharmonic conducted by Nan Washburn

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今回は米国退役軍人の日にちなんだ音楽題材で近現代作曲家の作品を集めたコンサートになる。以前にも取り上げたNan Washburn指揮によるもので、小編成オーケストラによる教会内コンサートである。探訪のきっかけは、コープランド作品中でも、めったに演奏機会がないLetter from Home を楽しめる他、リチャード ロジャースやロバート クルカ、ジョン ウイリアムスの作品も同時演奏されるためである。いずれも当方好みの米国近現代作曲家たちを取り上げてくれており、映画音楽、クラシックのクロスオーバー領域から、うまく楽曲を選択している。VOL13   でも言及したようにNan Washburnは、かなり映画音楽通好みの選択をする指揮者と思われ、大変ありがたい。コンサート会場には、テーマに即した米国退役軍人の方々も多数訪問されており、日本人である当方としては、やや、居難い雰囲気が感じられたが、偉大な芸術を創出してくれた作曲家に敬意表す意味でも、参加させていただいた。まずは、リチャード ロジャースのVictory at Sea である。この曲は多くの新録が出ており、よく知られた曲であるが、コンサートで鑑賞できる機会は米国外ではまずないであろう。戦争ドキュメンタリー音楽では有るが、15分程度の組曲形式にまとめられたSymphonic Scenario は海洋物映画音楽の典型で十分聞き応えがある。ミュージカル作品で有名なロジャースが、このような作品を手がけていたのは、興味深い。ウイリアムスのBorn on the Fourth of Julyも演奏機会が少ない作品で、哀愁を誘うトランペットがホールに響き感動的で、劇的表現の弦楽も忘れられない。ウイリアムス作品中でも目立たないが、初期作品にある独特の響きを感じ取れる、隠れた名曲。ロバート クルカも米国近代作曲家でも演奏機会が少ない方かと思うが、the Good Soldier Schweik Suite は比較的演奏される機会がある。今回初めてコンサート鑑賞できたのは良かった。クルカの作品としては、よりダイナミックな演奏が楽しめる交響曲2番等の管弦楽作品の方が当方の好みではある。ホルストのジュピターは、少女合唱が教会内のホールで、実に良い効果を生み出していた、それにしてもホルストのジュピターの旋律は何度聴いても感動的で本当に良い曲だと痛感する。最期にコープランドのLetter from Home である。これまでのコンサートでは鑑賞経験のない貴重な機会である。故郷を思う、叙情感傷表現をコープランド特有の管弦楽が巧みに表現しており、感動を与える。映画音楽HeiressやDown a country lane等に共通する響きを有している。彼のダイナミックな音楽も良いが、このような表現がうまいのも、彼の魅力である。

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会場の雰囲気 教会内のホール。少女合唱団が見える。