米国オーケストラによる 映画音楽 近現代曲 コンサート探訪記

サントラファンが書く、米国オーケストラによる、映画音楽、近現代音楽演奏会探訪記録および所感。

VOL.24 ;2018年1月13日探訪 ジェリー ゴールドスミス編 ”猿の惑星”組曲および“海流の中の島々”組曲 その他 

Goldsmith: Suite from "Islands in the Stream"

Goldsmith: Suite from "Planet of the Apes"

Tiomkin: Suite from "Big Sky"

Waxman: Suite from "Sunset Boulevard"

Rozsa: Suite from "Ben-Hur"

Others

Indianapolis Symphony Orchestra   conducted by Justin Freer

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今回は、映画音楽コンサートの探訪になる。映画音楽コンサートは概して、主題の曲の寄せ集め、ごった煮的ポップスコンサートになる傾向があり、通常は敬遠しているのであるが、今回は、好みの作曲家群の組曲が全部で5作品まとめて取り上げられており、単なるポップスコンサートではないと判断し探訪に踏み切った。管弦楽はインディアナポリス響、指揮はシネコンサートに、たびたび登場するジャスティン フリーアー。今回、第一の目玉は久々にゴールドスミス作品の組曲が2作品鑑賞できることである。今回のコンサートで演奏される全12曲中4曲はゴールドスミスの作品となっており、その中で、組曲として、“猿の惑星”組曲、および“海流の中の島々”組曲が取り上げられている。これらの組曲は、すでにゴールドスミス自身指揮のコンサートで公開済みで新規性はないが、いずれもコンサートホールでの演奏に耐えうる質の高い組曲で十分探訪に値すると考えている。

当日のプログラムによると、フリーア―はゴールドスミスに師事した経験がある様で、このため、ゴールドスミスの作品が多く採用されていると推定している。このコンサートでは、オーケストラ後方のステージ席の購入が可能である為、パーカッション群近くに陣取って観察を決めた。何故なら、ゴールドスミスの楽曲、特に猿の惑星では、パーカッションの使い方が独特で、これらの斬新な響きが、本曲の魅力である為である。真近くで見ると奏者の動きが巧妙ではあるが、かなり緊張した動きをしており、難曲であることが、理解できる。これは、フリーア―自身も演奏直前解説で述べていた事である。これだけ近傍で、この組曲を、しかもコンサートホールで鑑賞できる機会も少ないと考える。次に“海流の中の島々”組曲である。この組曲も演奏される機会は多くなく貴重である。自分的には、ゴールドスミス自身の指揮した新録LPを発売当初から愛聴してきた、好みの曲の1つで、期待が膨らむ。コンサートホールでの響きは格別で、コンサート用管弦楽作品として、十分鑑賞に値する品格が感じ取れた。組曲内で演奏されるピアノ旋律が、いかにもゴールドスミス的リリシズムを有し、好きな部分であるが、今回近傍で、そのピアノ演奏をじっくり観察でき、オーケストラ背後の席も悪くないと感じた。

次の目玉はティオムキンの“果てしなき蒼空”組曲である。この組曲は70年代リリースされた、ゲルハルト指揮ナショナルフィルの新録シリーズ中、ティオムキン編に取り上げられていた曲で、想い出深い曲である。演奏された組曲は、それと同一で、今、コンサートホールで鑑賞できたことは、真に感慨深い。

さらに、ワックスマンも好みの作曲家であるが、残念ながら、コンサートで演奏される楽曲はそれほど多くなく、管弦楽作品"カルメン幻想曲"が頻繁に取上げられる程度で、映画音楽が取り上げられることも、それほど多くない。したがって、今回“サンセット大通り”組曲が演奏される事は有難い。この曲も、ゲルハルト指揮ナショナルフィルの新録シリーズ中、ワックスマン編で始めて紹介されて依頼、魅了されてきた楽曲である。ゴールドスミスが自身のコンサートで取上げた事も理解できるし、弟子のフリーア―が、それに従った理由も十分理解できる。やはりコンサートホールで鑑賞する、本曲、特にサロメ引用の大団円は感動的である。ワックスマンの映画音楽組曲で、過去に探訪し印象に残っている作品として、ボストンポップスによるタングルウッド音楽祭において、ジョンウイリアムスが“陽のあたる場所”組曲を指揮しており、この演奏もよかった。さらに、興味深いことに、ワックスマン初期作品によるシネコンサート(フランケンシュタインの花嫁)が、シカゴ響により、かなり以前にすでに実施されており、当方、探訪している。これらの探訪記ついては次号に別記する。

最後の目玉はローザの“ベンハー”組曲である。有名曲であり、演奏され尽くしている感があるが、ローザ自身の新録盤をはじめ、繰り返し新録音が企画される曲である。最近では、プラハ市響の完全版の新録音がリリースされ、根強い人気曲である。当方としては、コンサートホールでの本曲鑑賞が今回が初めてになる。コンサートホールでの響きは、曲本来のゴージャス感をさらに倍増させると痛感した。今後ローザ作品のシネコンサートが企画されればと切望する。

以上、インディアナポリス響の演奏もよく、全体的には、好印象の演奏会であったが、自分的には、テーマ曲の演奏はすべて割愛し、その分、別作曲家の組曲作品が、もう1曲演奏されておれば最高であったと考える。ゴールドスミスの薫陶を受けた指揮者だから、アレックス ノースの作品が選定されても不思議でないし、当方としても大歓迎であったのであるが、、、

 

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 インディアナポリス ダウンタウン センターサークルよりコンサートホール(Hilbert Circle Theatre)を望む。

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 入り口にて