米国オーケストラによる 映画音楽 近現代曲 コンサート探訪記

サントラファンが書く、米国オーケストラによる、映画音楽、近現代音楽演奏会探訪記録および所感。

VOL.25 ;2008年10月31日探訪 フランツ ワックスマン編 フランケンシュタインの花嫁(全曲)世界初演

Franz Waxman: The Bride of Frankenstein (Complete)

World premier concert performance

Chicago symphony orchestra conducted by Richard Kaufman

------------------------------------------------------------------------------------------------------

前号で言及した様に、今回はワックスマンの作品に関する、過去のコンサートについて記録を残す。コンサートは2008年10月31日、シカゴ響によるシネコンサートで、作品はBride of Frankenstein(1935)。コンサートでの全曲演奏はその日が世界初演になる。その当時、シネコンサートに関する知名度はそれほど高くなかったが、会場は満員であったと記憶する。指揮は、現在、米国のシネコンサートで超活躍中のRichard Kaufmanであった。本曲はワックスマン作品群中でも、ユニークな作品であり、前述Vol.24記載コンサートでの演奏曲Sunset Boulevardよりも古い作品ではあるが、1930年代のホラー作品として有名な一連のフランケンシュタインシリーズ第二弾作になる。これまで、チャールズ ゲルハルトおよびケネス オルウイン指揮等による新録音盤がリリースされており、音楽的にも面白い企画である。個人的は、シネコンサート形式の演奏会には、このコンサートが始めての経験であった為、長年聞き込んだ映画音楽が、シカゴ響でどのように演奏されるのか興味津々であった記憶がある。近年はワックスマン作品のシネコンサートが無く残念であるが、彼の作品には、前号で紹介したSunset Boulevard初め,A Place In The Sun, Rebecca等の往年の名作が多く存在し、今後まだまだ企画される可能性はあると考えられる。さて、演奏である。かなり過去の事ではあるが、大画面に映し出された、フランケンシュタインの映像とシカゴ響の演奏は、白黒大画面による初期ホラー画像とともに、今も、強烈な印象を残している。本作の新録音がリリースされた後、1990年代には、その後のフランケンシュタイン作品の音楽を担当した、ハンスサルター、フランク スキナーによる、続編の新録音が相継いで、ストロンバーグ指揮モスクワ響他により、リリースされたのは興味深い。

ワックスマンのサントラといえば、彼の映画音楽集の新録音を企画した、息子のジョン ワックスマンがこのコンサート企画に参加しており、休憩時、ロビーで聴衆たちと歓談できる機会が設けられていた。その時、幸運にも、当方も言葉を交わすことができた。彼に関しては、70年代から収集してきたサントラ、特にワックスマン作品の新録音盤に彼の名前がクレジットされており、興味を抱いてきた。従って、この機会に実際に本人に面会できたのは、貴重な経験であった。 その時、すばらしい映画音楽芸術の新録音活動に関して大いに感謝を表し、今後の更なる新録音活動を、お願いをした記憶がある。その時、彼は、一般にリリースされていない著名映画音楽作曲家の作品群には、表舞台に出すべき作品が多くあると述べていた事が印象に残っている。そして、その言葉どうり、現在 Theme & Variations の代表として、映画音楽作品群のスコアー管理、演奏会のプロモートに尽力されている様で、サントラファンとしてはありがたい。

本作The Bride of Frankensteinのシネマコンサートが、その後再演された事は、当方知る限りないし、ワックスマンの本格的、長尺管弦楽作品をコンサートホールで、しかもシカゴ響で鑑賞できる機会もほとんど無いかと思われる。