米国オーケストラによる 映画音楽 近現代曲 コンサート探訪記

サントラファンが書く、米国オーケストラによる、映画音楽、近現代音楽演奏会探訪記録および所感。

VOL.32 ;2008 年8 月21 日探訪 ジョン ウイリアムズ編その5 Memory of a geisha

Excerpts from Close Encounter of the Third Kind

Flight to Neverland from Hook

Three pieces from Indiana Jones

Memory of a Geisha,Suite for Cello and Orchestra

Flying Theme From E.T.

Others

Chicago symphony orchestra conducted by John Williams

Yo-Yo Ma,Cello

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 前号でも言及した様に、継続してウイリアムズに関する過去のコンサートについて記録する。このコンサートの目玉は映画Memory of a geisha (2005) の演奏会用組曲(おそらく世界初演)が演奏される事であった。しかもそれが、シカゴ響+yo yo ma +ウイリアムズ指揮の超豪華組み合わせで実現することになり、ファンとしては見逃せないイベントであった。当該曲は数あるウイリアムズ楽曲中でも、最も好みであり、最重要イベントとして今でも記憶に残る。ウイリアムズにおいては、ダイナミックな楽曲で人気がある事は承知の事実であるが、当該曲のような感傷的抒情表現を用いた楽曲が多い事も事実で、自分的には、その範疇の作品群として Schindlers List7years in Tibet, Accidental tourist、Memory of a geisha を、自分好みの4大曲としており、特にMemory of a geisha は、その最高峰に位置すると感じている。邦楽器や東洋的旋律を導入(執拗なリズムの繰り返しに、なぜか、伊福部節を思い起こさせるところが、興味深い)するが、単なる借り物でなくウイリアムズの響きとして独自世界の響きを創造しており、本当にすばらしい。演奏会当日は最前席で、固唾を呑んでウイリアムズの指揮と演奏を見守った記憶がある。彼が舞台上を指揮台へと向かう途中、定かではないが、客席に向かって”アリガトウ”とつぶやいたような印象が残っている。yo yo ma のチェロ演奏とオーケストラの駆け引きはコンサートホールで格別な響きであった。幸運な事に、同コンサートホールのライブ録音(20日にも同曲の演奏会があったので、21日の録音かどうかは不明)が後にCDで発売されており、自分にとって、記念に残るコンサートになっている。当日、もう一つの目玉はExcerpts from Close Encounter of the Third Kind である。この曲は頻繁に演奏されており珍しい曲ではなく、個人的には、このコンサート以外に、ウイリアムズ指揮ボストンポップス@タングルウッドを含めると2度経験している。斬新かつ抽象的表現が、独立した現代音楽作品として観賞に値する作品と考えており、ウイリアムズのSF作品群の中で1番の好みになっている。さらに、コンサートホール効果も抜群である。今年は本作の全曲完全版CDがリリースされ、さらに、合唱付全曲演奏のシネコンサートも今後計画が有る様なので大いに期待される。特に本作の合唱効果は、すばらしいものがあり、コンサートホールでどうなるのか想像しただけで興奮を覚える。世界初演は米国外で、米国初演は2019年前半の様である。合唱が必要なオーケストラのシネコンサートは、簡単に実現する企画でないので、実現するなら大変貴重な企画と考えられる。

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入り口にて:芸者の後姿写真とMemory of a geishaの文字が目を引く