米国オーケストラによる 映画音楽 近現代曲 コンサート探訪記

サントラファンが書く、米国オーケストラによる、映画音楽、近現代音楽演奏会探訪記録および所感。

VOL.33 ;2007年11月24日,2008年7月26日探訪 ジョン ウイリアムズ編その6

  1. Music by John Williams: Chicago symphony orchestra ,conducted by John Williams
  2. Film night at Tangle wood: Boston symphony orchestra , conducted by John Williams

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前号同様、今回も過去に探訪した、ウイリアムズ指揮による自作品のコンサートを記録に残す。

1件目は、前号よりも1年前2007年11月24日探訪したシカゴ響ウイリアムズ指揮によるコンサートで、プログラム構成がオーケストラ用管弦楽作品約70%映画音楽約30%の比率になっており、ウイリアムズの純音楽作曲家としての作品に比重が置かれたコンサートとして記憶に残る。1980年に作曲された小品Fanfare for a festive occasionから始まり、小澤征爾ボストン響音楽監督就任25年記念のために作曲されたTribute  for Seiji および The Five Sacred Trees ,Bassoon Concert が前半に配されていた。Tribute  for SeijiとBassoon Concertが印象に残る。きらびやかなで躍動的オーケストレーションを多用したTribute  for Seijiに対し、朽ちゆく木を題材にした詩から着想を得て作曲されたBassoon Concertは、オーボエを用い深い思索を感じさせる表現で,きわめて対称的プログラム構成。どのような題材でも傑作を生み出す、天才ウイリアムズの1面を映画音楽以外でも痛感させられる好例と感じた。休憩を挟んで、アメリカンミレニアムガラのイベント用に作曲された楽曲American Journey全6楽章から4楽章を抜粋演奏後,3曲は映画音楽The Witches of Eastwick, Memoirs of Geisha, The Extra-Terrestrial から抜粋それぞれ1曲ずつ演奏された。American JourneyではBassoon Concertとは一転して、躍動的な米国の成長を表現するウイリアムズ得意のダイナミックな曲で盛り上がった。ここまで映画音楽以外の作品のプレゼンをすることで、残りの映画音楽演奏に弾みがついた印象がある。特に印象に残った樂曲はThe Witches of EastwickからBalloon sequence and devils dance である。ファンタジックコメディー用の舞踏音楽ではあるが、シカゴ響によるコンサートホールでの響きは格調を有し、かつ迫力満点。その後アンコール曲に、自分好みの1曲Accidental TouristからMain Titleが演奏され、最高のエンディングとなった。物語の全てを含蓄するかのような、その旋律に感動せざるを得ない。当該曲が名門オーケストラ演奏にて鑑賞できる機会も多くはないだろう。シカゴ響とウイリアムズのコラボが良好な印象受けたコンサートであった。前号で言及した2008年のコンサート、および、その後リンカーンのサントラ録音へと関係が発展する布石になった重要なコンサートになったのではないかと推定する。

 

2件目は2008年7月26日探訪、ウイリアムズ指揮ボストンポップスオーケストラ FILM NIGHT AT TANGLEWOOD になる。夏場における米国オーケストラシーンでは野外コンサートが盛んに実施される。ボストンのタングルウッド、シカゴのラビニアおよびグラントパークが有名であるが、全米各地のオーケストラは挙って野外コンサートを実施し、音楽愛好者にリラックスして音楽を楽しめる機会を提供している。野外により音響効果は期待できないがウイリアムズ@TANGLEWOODを経験する機会と考え、参上した。前半はExcerpt from Close Encounters of Third Kind およびWaxman のSuite from A Place in the Sun の2曲が自分的にはおおいに楽しみにしていた曲になる(これらの組曲を生オーケストラで鑑賞できる機会は少ない)特にSuite from A Place in the Sunにおいて、舞台上で繰り広げられるアルトサックスとオーケストラの絡み合いは出色である。ゴールドスミスが来日コンサートでWaxmanを取り上げたように、ウイリアムズも同様に彼のコンサートで取り上げる理由は十分理解できるし、改めて、Waxmanの残した芸術のすばらしさに感動した。ハリウッドの黄金期を支えた音楽家達の芸術を自己のコンサートで共有する、その様な姿勢に真の芸術家魂を感じるのである。Waxmanは自分的にもファンでその音楽に傾倒しており、大変貴重なプログラムであった。休憩を挟んで、後半のプログラムは、スピルバーグが司会を担当で、A SALUTE TO INDIANA JONES と題し、全7曲をすべてインディアナジョーンズシリーズから選択された構成になっており、一部映像を使ったプレゼンが効果的であった記憶がある。7曲のうち約半分の3曲は、このコンサートが実施された2008年に公開されたIndiana Jones And The Kingdom Of The Crystal Skullから抜粋されており、大変タイムリーな演奏会であった。確か、このサントラは、TANGLEWOODの売店で購入したので、個人的にも思い出に残るコンサートになっている。

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TANGLEWOOD  演奏会場の雰囲気